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癌が消えることはあるのか?癌の自然退縮の原因や実際の症例を解説
「癌が自然に消えることがあるってほんと?」
「どのような原因で癌が消えるの?」
と悩んでいませんか。
結論から述べると癌が自然に消えたという症例は存在します。しかし、癌が自然退縮(しぜんたいしゅく:癌が自然に消滅したり小さくなったりすること)するのは非常に稀な現象であり、意図的に引き起こせるものではありません。
本記事では、癌の自然退縮をはじめとして以下を解説します。
- 癌の基礎知識
- 自然治癒との違い
- 癌が消える原因とメカニズム
- 症例数と具体的な経過
- 食事による癌の補完医療について
- 知っておくべきこと
「なぜ癌が自然に消えたり小さくなったりするのか」を具体的に知りたい方は参考にしてください。
癌の基礎知識
癌は正常な遺伝子に傷がついてしまい、異常な細胞が増殖してしまう病気。癌が進行すると発生した場所に限らず、周囲の臓器に広がり生命に危険がおよびます。
現代では、2人に1人は癌になるといわれており、年齢が上がるほどに発症の割合が高まります。癌を発症する原因の多くは、喫煙や飲酒、食生活の乱れ、肥満など生活習慣によるものです。
他にも、ピロリ菌やヒトパピローマウイルスなどの菌やウイルスも癌の原因になります。癌の発症を予防するには、禁煙や節酒、肥満改善、低塩分食への置き換え、栄養バランスのよい食事など、生活習慣の見直しが重要です。
がんの発症を予防するには、オーガニックの観点で良質な食材を選んだり、食品添加物による加工品や遺伝子組み換え食品を避けたりといった方法をおすすめします。癌が自然に消えることはあるのか
「癌が自然に消えた」という症例は実際に発表されています。自然退縮する頻度は、6〜10万人に1人程度と少ないです。
日本における癌の自然退縮の頻度は1万2千人に1人。日本では、2011年の1年間に癌の自然退縮に関係する論文が13例発表されています。そのため、1ヵ月に1人の割合で自然退縮が起きているとも考えられます。
癌の自然退縮と自然治癒の違い
癌の自然退縮と自然治癒のどちらも「癌に有効とされる治療、または治療をしていない状況で、発生場所もしくは転移している部位の癌が一部ないし完全に消失している状態のこと」をいいます。
しかし「癌の自然治癒」という言葉は、定義を明確にするのは難しいです。癌は画像検査や腫瘍マーカー(癌が発生しているときに見られる物質を調べる血液検査)などあらゆる検査をしても、全身すべての臓器の癌細胞が「完全に治癒した」と判断するのは難しいためです。
医学用語的には「癌の自然治癒」ではなく「癌の自然退縮」とするほうがよいとされています。
癌が自然退縮を起こす原因とメカニズム
癌の自然退縮の研究は多く存在しますが、はっきりと解明できていません。しかし、以下の原因やメカニズムによって起こると考えられています。
| 自然退縮を起こす原因 | 自然退縮を起こすメカニズム |
| ホルモンの影響感染症発熱アレルギー体への酸素と栄養の不足発癌物質や癌の増殖因子の除去禁酒・禁煙大量出血や低血圧癌以外への放射線の照射遺伝的要因 | 急速な癌細胞の増殖により、血液や酸素の供給がされなくなり癌が壊死(えし:細胞が死ぬこと)する検査による刺激によって、癌へ栄養を送る血管が塞がるまたは切断される創部への感染や物理的刺激により免疫反応(体から異物を取り除こうとする反応)が起きる表面に出てきた癌が自然脱落する |
以上が関係する癌の自然退縮は、意図的に起こすことはできず偶発的に発生します。
癌の自然退縮の種類別症例数
大阪癌研究会が発表した「がんの自然治癒」の資料によると、癌の自然退縮の種類別症例数は以下のように記載されています。
| 種類 | 概要 | 症例数 |
| 腎臓癌 | 腎臓の細胞にできる癌 | 99例 |
| 悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ) | メラニン色素を作る細胞が癌化する皮膚癌 | 92例 |
| 神経芽細胞腫(しんけいがさいぼうしゅ) | 神経を作る細胞が癌化する子どもの病気 | 73例 |
| リンパ腫 | 白血球のなかのリンパ球が癌化する血液の癌 | 68例 |
| 白血病 | 血液になる前の細胞が癌化する血液の癌 | 53例 |
| 網膜芽細胞腫 (もうまくがさいぼうしゅ) | 乳幼児に多い網膜にできる癌 | 50例 |
| 乳腺癌(にゅうせんがん) | 乳腺の組織にできる癌 | 43例 |
| 精巣癌(せいそうがん) | 男性の睾丸にできる癌 | 24例 |
| 肺癌 | 肺の細胞にできる癌 | 23例 |
| 絨毛癌(じゅうもうがん) | 胎盤(たいばん)を作る絨毛細胞に癌が発生する女性の病気 | 19例 |
| 結腸・直腸癌(けっちょう・ちょくちょうがん) | 大腸や結腸の粘膜にできる癌 | 18例 |
| 胃癌 | 胃を覆っている粘膜細胞にできる癌 | 17例 |
| 膀胱癌(ぼうこうがん) | 尿を貯める膀胱にできる癌 | 17例 |
| 肝臓癌 | 肝臓の細胞にできる癌 | 14例 |
| 軟部組織癌(なんぶそしきがん) | 筋肉や脂肪、神経、血管などにできる癌 | 13例 |
| その他の癌 | – | 118例 |
癌の自然退縮の症例
ここでは、病状や経過を含めながら自然退縮した癌の症例について解説します。
1.肺扁平上皮癌
肺扁平上皮癌(はいへんぺいじょうひがん:肺癌の一種)の自然退縮の症例は以下の通りです。
| 病状 | 気管支鏡検査の施行後に扁平上皮癌と診断された80歳代の男性 |
| 経過 | 病状と高齢の関係により、抗癌剤の治療は困難と判断され経過観察となっていた。しかし、同年のCT検査などで癌の縮小が見られる |
この症例による自然退縮の原因は、同年に発症した肺炎と気管支鏡検査が関係すると推測されています。感染症や検査による機械的刺激を契機に免疫反応が活性化され、癌の自然退縮につながったのではないかと考えられています。
出典:日本老年医学会雑誌 無治療にて自然退縮を認めた高齢者肺扁平上皮癌の1例
2.肝臓癌
肝臓癌の自然退縮の症例は以下の通りです。
| 病状 | 肝臓癌のステージ4と診断され経過観察の方針となった70歳代の男性 |
| 経過 | 症状は悪化することなく経過し、初診から28ヵ月後の画像診断にて癌の著明な縮小が見られる |
この症例による自然退縮の原因を一部紹介すると以下の通りです。
- 癌が急激に増殖したことで癌への酸素が不足する
- 癌の進行により癌への血液の流れが低下または塞がれる
肝臓癌の自然退縮は、全身と局所の原因が絡んでおり、その原因を特定するのは難しいとされています。
出典:日本消化器病学会雑誌 自然退縮傾向を示した肝細胞癌の1例
3.喉頭癌
喉頭癌(こうとうがん:のど仏あたりにできる癌)の自然退縮の症例は以下の通りです。
| 病状 | 内視鏡下生検(細胞の一部を採取する検査)を施行後、喉頭癌と診断された40歳代の男性 |
| 経過 | 初診から41日後、放射線治療を開始するために来院するも、現れていた症状の嗄声(させい:声がかすれる症状)が改善していた。喉頭ファイバー検査(鼻からチューブ状のカメラを挿入する検査)を実施すると、声帯に見られていた癌が消失していた |
この症例で自然退縮の原因となったのは、生検であると推測されています。生検を契機に癌へ栄養を送る血管の切断・閉塞、または生検部位に感染が起きたことが原因として考えられます。喉頭癌が自然退縮するのは非常に稀です。
4.乳癌
乳癌の自然退縮の症例は以下の通りです。
| 病状 | 針生検後に乳癌と診断された50歳代の女性 |
| 経過 | 部分的な切除方針となっていたが、手術前の検査にて癌が確認できなくなっており、生検によっても癌は認められなかった |
この症例の自然退縮の原因は、針生検後から1ヶ月後に自然退縮が見られていることから、針生検による物理刺激で免疫反応が起きたと推測されています。
食事による癌の補完医療について
食品に含まれる化学物質は体にとって毒素であり、癌を引き起こす要因の一つ。食事内容に注意することで「毒素を蓄積させない」という観点の補完医療となりえます。以下では、癌の発生のリスクを減らせる可能性がある食品について解説します。
1. 無農薬・無添加食品
毒素となり癌を引き起こす可能性があると考えられているのが、食品に含まれる農薬や添加物などです。そのため、無農薬野菜や無添加食品は癌の発症リスクを下げられる可能性があります。
フランスで実施された研究によると、有機食品(ゆうきしょくひん:化学的に合成した肥料や農薬、遺伝子組み換え技術を使用しない食品)をよく食べる人は、食べない人に比べて、癌の発生率が低いという報告もあります。
日本では、有機野菜は一般的な野菜よりも、抗変異原性(こうへんいげんせい)が高いという研究があります。抗変異原性とは細胞の突然変異を抑える作用のこと。
癌予防の観点で「毒素となってしまう可能性のある食品をできるだけ取らない」「抗変異原性が高いとされている有機野菜を意識的に摂取する」なども癌予防の一つの考え方です。
2. ホルモンを使用していない動物性食品
牛や豚の成長を促すホルモン剤を使用していない動物性食品は、癌の発症リスクを下げられる可能性があります。ホルモン剤は食品となった際に残留ホルモンとして残り、人の体に入ると発癌性物質になると考えられているためです。
日本に輸入されている牛肉などの食品は、健康に悪影響を及ぼさないようにホルモンの残留基準が定められており、その基準を超える食肉の輸入は禁止されています。
しかし、EU(ヨーロッパ各国の国際組織)では安全性を示す根拠が不十分として、成長ホルモン剤を使用している食肉の輸入はされていません。他の国ではリスクがあると考えられている食肉が、日本には輸入されているとも捉えられます。
科学的根拠は不十分ですが、成長ホルモン剤が使用されている食肉を避けることも癌予防の方法の一つとして考えられます。なお、日本では畜産業者がホルモン剤の使用を求めていないため、結果として使用が認められていません。
3. アクリルアミドが含まれない食品
アクリルアミドとは、接着剤などに含まれている化学物質。食品などにも含まれており、おそらく発癌物質であるとされています。
アクリルアミドは、穀類やいも類などを120℃以上の高温で調理・加工すると生成される場合があります。アクリルアミドが多く含まれる加工食品は以下の通りです。
- ポテトチップス
- フライドポテト
- ビスケット
- クッキー
- 焙煎したコーヒー豆や茶葉
以上の他にも、家庭で調理したトーストパンや野菜の素揚げ、炒め物などでもアクリルアミドは発生する可能性があります。
上記の加工食品を避けるほかに、家庭では茹でたり蒸したりする料理を意識することで、アクリルアミドの摂取を避けることができます。
癌の自然退縮に関して知っておくべきこと
癌の自然退縮の報告を見ると「癌は自然治癒できる」と考えてしまうかもしれませんが、そういうわけではありません。前述した通り、癌の自然退縮は、偶然により生じたものであり意図的なものではないためです。ここでは、癌の自然退縮に関して知っておくべきことを解説します。
温泉により癌の自然治癒は促進されない
「温泉に入ると癌が治る」などの話を聞いたことがあるかもしれませんが、温泉で癌が治癒するなどの学術的な症例の報告はありません。
温泉水を飲むことで癌細胞の増殖を抑制できるという研究もありましたが、具体的な手法やメカニズムはあきらかにされていないのが現状。
むしろ進行した癌患者さんにとって、温泉に入ることも飲むことも禁忌(きんき:やってはいけないこと)となる場合があるため注意が必要です。癌患者様が温泉に入りたい場合は医師に相談しましょう。
なお、患者さんの状態によっては、長期にわたって続けることで血行が良くなって免疫力が高まる、大自然に癒されて自然治癒力の活性化が促進される、などを期待できるケースがあります。
食事療法だけで癌が治癒することはない食事療法により癌が治癒することはない
食事療法で癌自体が治癒したという科学的根拠はありません。病院で提供される食事も栄養状態を維持するためのものです。
癌における食事は、癌の予防の観点で効果があるとされています。例えば、以下のようなことです。
- 牛・豚などの赤肉や加工肉は大腸癌のリスクを上げるため、過度な摂取は控える
- 食物繊維を多く含む食品は大腸や結腸の発癌リスクを下げる
- 野菜・果物に含まれるビタミンやカロテン、葉酸などの栄養素は発癌物質を分解する作用がある
以上のように癌の食事療法は、癌の発症リスクを下げる観点としてとらえましょう。
まとめ
癌の自然退縮は複数の原因が重なり合って偶然に起きたもの。民間療法などを活用して、誰もが意図的に起こせるものではありません。
しかし生活習慣や生き方を見直すことは、癌の抑制につながるでしょう。
癌の治療を適切に進めるのであれば、手術や放射線療法、化学療法などの標準治療(科学的根拠がある治療)を受ける必要があります。癌の治療は、些細な疑問や不安でも医師に相談することが大切です。
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