ホメオパシーとは?副作用やがんにおける効果をわかりやすく解説

目次

リード文

「ホメオパシーとはわかりやすくいうとどんな療法?」

「具体的な効果はなに?」

と悩んでいませんか。

ホメオパシーとは、専用の薬を用いて人の自然治癒力に働きかける療法。治療効果を示す明確なエビデンスが存在しないのが現状です。本記事では、ホメオパシーの概要をはじめとして、下記を解説します。

  • エビデンスからみる見解
  • 日本や海外の利用状況
  • 効果一覧と副作用
  • がんにおける効果
  • がん患者様が選択する理由
  • 検討する際の3つの注意点
  • 必要な料金

エビデンスを前提としたわかりやすい内容を探されている方は、一度参考にしてください。

ホメオパシーとは?

まずは、ホメオパシーとはどのような治療方法であるのかを解説します。

わかりやすくいうと自然治癒力を高める療法である

ホメオパシーはわかりやすくいうと、人に元々備わっている自然治癒力に働きかける治療方法。特定の症状で苦しんでいる人に対して、同様の症状を引き起こす薬(レメディと呼ぶ)を使用します。

レメディは特定の材料を極めて低い濃度まで薄めているため、体に弊害を及ぼさずに、人の自然治癒力に働きかけることができると考えられています。ホメオパシーでは同じ症状でも治療方法は異なり、病気や症状よりもその「人」に焦点をあてて治療する特徴があります。

がんや難病治療にも対応したレメディもあり、その際にはミアズム(体内の深層に潜んでいる遺伝的な病気の傾向)を解毒し、バランスを取り戻すためのレメディが処方されることがあります。

多岐にわたるレメディが存在する

レメディの種類は3,000種以上。なぜ効果があるのかはいまだにはっきりしていません。レメディの材料を一部紹介すると下記の通りです。

材料詳細
植物赤玉ねぎ、ツタウルシ、イラクサ、ベラドンナ(有毒なナス科の植物)、アルニカ(山岳地帯の薬草)など
鉱物鉄、ヒ素など
動物蜂を砕いたものなど

レメディのうち約65%は植物、その他は鉱物や動物から作られます。レメディは、砂糖ペレット(舌の上に置く固形物)をはじめとして、錠剤や軟膏、クリーム、ドロップなどさまざまな形状が存在します。

エビデンスから見るホメオパシーの見解

オーストラリアの国立保健医療研究評議会(医療分野の研究資金配分担当する政府機関)が2015年に実施したエビデンスの総合的評価では「ホメオパシーはあらゆる健康状態に効果が見られるという信頼性の高いエビデンスはない」と結論づけています。

日本医師会においても、治療効果を否定しており「レメディは極端な希釈を実施したもので、元々の材料は含まれない水であり、副作用が生じないのは当然で治療効果もない」と結論づけています。

治療効果があると主張する研究も存在しますが、その効果はプラセボによる心理的なものと考えられており、有効性は示されていません。プラセボとは偽薬のこと。本物と思い込み内服すると効果が現れる薬です。

上記のことから非科学的であると結論づけられています。利用を検討するのであれば、ホメオパシーは、がんを「治す」のではなく、自然治癒力に働きかけることによって、心身を健康に近づけられる可能性があるということを理解しなければなりません。

日本や海外のホメオパシーの利用状況

ホメオパシーは、ヨーロッパ諸国で盛んで、中南米など80カ国以上の国で利用されています。ヨーロッパでは、 約30%が自身の健康のために利用しており、発祥国のドイツでは、地域の医療機関から75%の割合で処方されています。

  • ベルギー
  • フランス
  • オーストリア
  • ハンガリー
  • ロシア
  • イタリア

このような国では、法規制をもとに医師だけが処方可能。イギリスのように法規制のない国や、ドイツのように独自形態をとっている国も存在します。

日本は法規制がされておらず、医薬品として認可されていないため注意が必要です。

ホメオパシーで期待されている効果一覧

ホメオパシーは、アレルギーや呼吸器・消化器関係の症状、骨格や筋肉の痛み、めまいなどさまざまな用途に利用されてきました。

その他にも下記のようなことに貢献できると考えられています。

  • 病気の予防や発症した際の総合的な医療
  • ストレス社会におけるメンタルヘルスケア
  • 過剰に摂取した物質のデトックス
  • 家庭の健康生活への応用
  • 自己免疫疾患などの難病に対する応用
  • 精神障害やターミナルケアの応用

ただし、上記に関するエビデンスは明確ではありません。過去に助産師がビタミンKを与えるべき新生児にレメディを投与して、死亡に至った事件も存在します。

法規制がされていない日本においては、利用する人自身がホメオパシーに関して十分に理解するようにしましょう。

ホメオパシー(レメディ)の副作用

ホメオパシーの代表的な副作用は下記の2つです。

  • アグラべーション:一時的な症状の悪化
  • プルービング:新しい症状の出現

それぞれの詳細を解説します。

アグラべーション|一時的な症状の悪化

アグラべーションとは、レメディを内服した際に一時的に症状が悪化することです。これは、自然治癒の過程が始まったと考えられており「治癒的アグラべーション」とも呼びます。

慢性の病気を持つ方に10%以下の頻度で出現するとされています。ときには強い反応を引き起こし長期に及ぶことも。治癒的アグラべーションは、一般的にレメディの内服後1週間以内に見られます。

多くは2週間以内に改善の経過をたどりますが、本来はアグラべーションが引き起こされずに、治療が進むことが望ましいです。症状が改善しなければ、病状の悪化の可能性もあるため中止しなければなりません。

臨床研究では、この副作用に対するエビデンスが示されておらず、研究自体がほぼありません。症状が現れた際は、がんの担当医師に相談することを推奨します。

プルービング|新しい症状の出現

プルービングとは、現在の病気とは無関係な新しい症状が引き起こされること。この新しい症状はレメディにより引き起こされた副作用と考えられています。

プルービングは、本来は健康な人にレメディを投与して、引き起こされる症状や反応を見る検査。頻度は低いですが、治療を目的として内服した際にも引き起こされることも。また、誤ったレメディを内服した際に、症状が現れる場合もあります。

前述したアグラべーションとプルービングは、医師によって判別ができます。このような症状が見られた際は、専門的な知識を持つ医師に相談しましょう。

がんにおけるホメオパシーの効果

日本緩和医療学会のがんの補完代替医療クリニカル・エビデンスを参考にすると、ホメオパシーはがんにともなう痛みや吐き気、嘔吐、だるさ、不眠、不安、抑うつ、ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ、発汗などの症状)などに効果を示した明確なエビデンスは存在しません。

一方で、がんの治療や検査にともなう症状に対して、下記のような効果がある可能性を示しています。

  • 放射線療法中の急性皮膚炎を予防する
  • 放射線療法による皮膚の熱感を改善する
  • 化学療法による口内炎を改善する
  • 骨髄移植をした小児の口内炎の痛みや病気の期間を改善する

ただし上記に明確なエビデンスはありません。

参考:日本緩和医療学会 がんの補完代替医療クリニカル・エビデンス

がん患者様がホメオパシーを選択する理由

がん患者様がホメオパシーを選択する理由は下記の2つです。

  • 自分で治療方法を選択したい
  • 治療の望みの1つとしたい

それぞれの詳細を解説します。

自分で治療方法を選択したい

日本のがん治療は、化学療法や放射線療法、外科療法などの標準治療(エビデンスのある治療方法)が基本。そのため、病院ではがん患者様に標準治療を推奨します。

ですが、これらの治療法は副作用も強力で、耐えられるだけの体力を要します。そういった観点からも、がんにおいてホメオパシーは「手術をしたくない」「代替医療を試してみたい」「自然由来の療法を試したい」という患者様の選択肢の一つになっている様です。

代替医療を取り扱っている医療機関では、まずは標準治療を推奨したのち、ホメオパシーという代替医療もあることを紹介します。

どうしても検討したい人は、代替医療を中心に統合医療として取り扱っている治療院を受診してみるといいでしょう。(ただし、そのような病院でも患者さんの状態によっては、まずは標準治療が施されるケースもあります。)

加えて、エビデンスによる効果を証明できていません。がんを小さくしたり進行を抑制したりする直接的な効果でなく、自然治癒力を高める治療法であることを理解して検討しましょう。

治療の望みの一つとしたい

ホメオパシーを含む代替医療は、手術や化学療法などの積極的治療ができなくなった人の選択肢の一つになっています。

実際に日本心身医学会の終末期がん患者と癒しを参考にすると、末期がん患者様に、ホメオパシーを含む代替療法を提案すると「患者様の目に輝きが戻り希望をもてるようになる」と記載されています。

ただし、最終的には亡くなってしまうことがほとんど。とはいえ、希望や期待をもって過ごすのと、絶望感とあきらめのなかで過ごすのとでは、患者様の生活の質は大きく変わるでしょう。

このように、ターミナルケアにおいて、末期がん患者様が前向きな気持ちを取り戻す一助として活用されています。

参考:日本心身医学会 終末期がん患者と癒し

がん治療でホメオパシーを検討する際の3つの注意点

がん治療でホメオパシーを検討する際の3つの注意点は、下記の通りです。

  • レメディを持参して主治医に相談する
  • 標準治療の機会を逃す可能性がある
  • 認定医や専門医に相談する

それぞれ詳細を解説します。

1.レメディを持参して主治医に相談する

ホメオパシーを利用する前に、がん治療の担当の医師にレメディを実際にみてもらいましょう。本来レメディは、極めて低い濃度まで薄めて使用しますが、法規制がないため十分に希釈できていない場合もあります。

十分に希釈できていないものを利用すると、がんの薬との相互作用により標準治療の妨げになる可能性も。また、水銀や鉄などを含むものは、十分な希釈ができていないと有害作用を引き起こし、重篤な状態になる可能性があります。

医師によっては詳細を知らないこともあるため、実際にレメディの実物を見てもらい判断してもらったほうがよいでしょう。

2.標準治療の機会を逃す可能性がある

ホメオパシーでがんを治癒できるわけではありません。あくまでも期待できるのはがんに関係する症状の改善です。

実際に、日本緩和医療学会のがんの補完代替医療クリニカル・エビデンスを参考にすると、ホメオパシーが「がんを小さくする」「生存率を向上させる」などに役立つとした論文(2000年1月1日〜2014年12月31日のPubMedという論文サイトの検索結果)はなかったと記載されています。

ホメオパシーを含む代替療法は、標準治療の補助としてとらえましょう。

出典:日本緩和医療学会 がんの補完代替医療クリニカル・エビデンス

3.認定医や専門医に相談する

ホメオパシーは、認定医・専門医の診察を受けた上で処方してもらう必要があります。専門的な知識を持った医師が実施するものであるためです。

日本においてレメディは薬と認められてないため、薬局などは購入できません。また、日本は治療する側もレメディも法規制できていないのが現状。そのため、治療を受ける患者様自身が知識を得ている必要があります。

十分に理解したうえで、使用するかどうかを医師と相談しながら検討してください。

ホメオパシーに必要な料金 

ホメオパシーは自由診療で、費用は医療機関によって異なります。利用予定の医療機関に問い合わせる必要があります。

料金の一例を挙げると下記の通りです。

【料金の一例】

項目料金
カウンセリング6,000円/30分
各種レメディ700円/1週間分

なお、レメディの処方は一回の診療で一種類のみと決まっています。

まとめ

ホメオパシーはわかりやすくいうと、人の自然治癒力に働きかける治療方法。一部のがんに関係する症状に対して改善する可能性がありますが、明確なエビデンスはありません。

植物や鉱物などといった自然界にあるものを利用した治療方法は、施術者や患者様の心に「エゴが少ない」「素直である」といった純粋さが、結果に大きく左右するという意見が昔からあります。

そのため、人によるところが大きく、データが取りづらい点を想像できます。利用を検討する際は、ホメオパシーの専門医やがんの専門医に相談してください。また、医師に相談するだけでなく、利用する人自身も十分な知識を身につけましょう。

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この記事を書いた人

「医者や病院任せではなく、自分を知って治療法を選ぼう」医療に対する考え方や治療法の選び方が多様化している現在において、いしゃっちはそのひとそれぞれの状態や信念に基づいて、無理なく負担がない治療法を一番に推奨したいために、統合医療という形で情報提供していくつもりです。気軽にいろんな治療法を知っていただき、ご自身に合ったものを選んでいただけたらと思いまして、とかく重たくなりがちな医療ですが、いしゃっちという軽やかな名前を付けさせていただきました。

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