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入浴がどう健康に影響するのか
みなさんは、入浴というと毎度湯船に浸かる派でしょうか。
それとも、忙しくてシャワーで済ませることが多いでしょうか。
海外ではシャワーブースしかないところも多く、浴槽はあっても半身浴しかできないような浅いものがほとんどです。
身体の汚れを取り除くことだけが目的でしたら、たしかにシャワーだけでじゅうぶんかもしれません。
<日本における入浴の歴史>
ちなみに日本人は肩まで浸かれる浴槽があるせいか、部類のお風呂好きな国民で、週に一回以上浴槽入浴する欧米人が3割以下なのに対して、平均週5回も浴槽入浴を行っているそうです。
このことからも、日本人の場合は入浴に対して、身体を洗う以上の意味があるようです。
実際に、約75%の日本人がお風呂に入るのが好きだと答えており、理由を聞いてみると、さっぱりするという理由以外に、疲れが取れる・リラックスできる・よく眠れるなどの理由が上がります。
日本でのお風呂の歴史は、6世紀に仏教の寺院が作善行為として庶民にお湯を振舞ったことからはじまるとされています。当時のお風呂は、上記で身体を温めて手拭いで垢を擦り落とすというサウナに近いものだったそうです。
その後、安土桃山時代に銭湯が出現しましたがまだ半身浴が中心でした。
肩まで浸かれる深い浴槽ができたのは江戸時代の初期で、一般庶民が銭湯ではなく、自宅の内風呂を楽しむようになったのは、戦後の高度経済成長期になってからだとされています。
西洋なんかでは、漫画や映画「テルマエ・ロマエ」で有名になったように、古代ローマ時代にテルマエという大浴場が反映していたようです。
<入浴の健康への貢献>
さて、本題の入浴はどう健康に影響するのかなのですが、健康上のメリットとして上げているのが、痛みの緩和です。
例えば、線維筋痛症(身体のあちこちに痛みが出て、身体のこわばり・疲労感・不眠・頭痛・うつ気分などが生じる原因不明の病気)の患者において、浴槽入浴することで痛みが緩和されたという研究結果があります。
同様に、変形性関節症においても同様に結果が出ています。
また、お風呂やサウナは血管を拡張させるため、結果として血圧が下がり、水圧によって血流も改善するというメリットもあります。
これらの作用によって、脳卒中や心筋梗塞などの脳や心臓の病気のリスクが下がるという報告がなされています。
実際に、2020年に入浴回数と脳卒中や心筋梗塞の発症率との関係を評価した日本の研究では、頻繁に入浴する人の方があまりしない人よりも、脳卒中や心筋梗塞を起こす確率が低いと出ています。
<サウナはどうか>
では、サウナはどうでしょうか。
サウナに入った後のすっきり感を、よく「ととのう」と表現したりしますね。
実はサウナは、体調まで「ととのう」ことがわかっています。
フィンランドの人は数千年前からサウナ(ドライサウナ)に入っており、平均すると週に2,3回入っていると言われています。
2018年に発表された論文では、サウナ浴は血圧を下げ、脳卒中や心筋梗塞などのリスクを下げ、心臓疾患による突然死のリスクを下げると報告されています。
この論文によると、これらの効果は身体が温まることによる血管への好影響やコレステロール値の改善、炎症の抑制によってもたらされている可能性もあるが、一方で、サウナでリラックスするという精神的な要素が健康に良い結果をもたらしている可能性もあると言います。
また、サウナが心不全に良いという研究結果も複数あります。
<入浴で気を付けるべき人>
これまでお伝えしてきた通り、入浴やサウナは心身ともに健康に良いことばかりですが、デメリットがないわけではありません。
・不安定狭心症などの心臓の病気、コントロールされていない高血圧などがある人では、こ れらの病気を悪化させるリスクがあります。
・高齢者で血圧が低めの人は、浴槽入浴によって血圧が下がり過ぎて、転倒するリスクがあ ります。こういったケースでは、熱すぎるお風呂や長時間の入浴は避けた方が良いです。
・特に冬場になりますが、乾燥肌でかゆみがある人の場合、熱すぎるお風呂に長時間浸かる ことで、症状が悪化することがあります。
こちらに関しては、エプソムソルトなどを入れて入浴することで、マグネシウムといっ たミネラルを経皮吸収するので、かゆみはかなり予防ができます。
・妊娠初期の女性は熱いお風呂は避けた方が良いでしょう。
1992年に発表された論文では、熱いお風呂に入る習慣のある女性から生まれてくる赤 ちゃんは、神経の障害(無脳症や二分脊椎などの神経管閉鎖不全によって起こる病気)の リスクが約2.8倍高かったと報告されています。
安定期に入る妊娠12週までは、熱い湯と長風呂は避けた方が良いと考えられます。
加えて、温泉や銭湯などの大浴場は感染症のリスクも高まるので、こちらも妊娠中は避け た方が良いでしょう。
まとめ
基本的に入浴はリフレッシュできたり、血圧を下げてくれる効果があるので推奨されますが、特殊な健康状態にある人や妊婦さんには、注意が必要です。
ご自身に合ったやり方で、身体を温めることを心掛けてください。
引用元)「HEALTH RULES 病気のリスクを劇的に下げる健康習慣」RULE6より
著者:津川友介(UCLA准教授・医師)
出版社:集英社
発行年:2022年1月30日
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