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肺がんの免疫療法 再発や転移にも効果はある?
肺がんは日本で非常に多いがんの一つで、治療の効果や再発・転移の悩みを抱える方も増えています。
従来の治療では効果が限られていた再発や転移に対して、最近は「免疫療法」が新たな希望として注目されています。
本記事では、肺がん免疫療法の基本から最新の治療方法、そして再発や転移に対する効果まで、やさしく解説します。

・免疫療法とは何か
免疫療法とは、人が本来持っている「がんを見つけて攻撃する力=免疫」の働きを高め、癌細胞と戦わせる治療方法です。
体の防御力を利用し、副作用を比較的抑えつつ、がんの進行を抑えたり、場合によっては縮小させることも期待できます。
特に、本人の体力や自分自身の力を活かすことができる点が大きな特徴です。
・肺がんに対する治療法の変遷
肺がん治療は、手術・放射線治療・抗がん剤という三本柱から、分子標的薬、そして免疫療法へと進化してきました。
特に過去十年で、大きく治療選択肢が広がっています。今では患者さんの体力や遺伝子の特徴に合った「オーダーメイド治療」が受けられる時代です。
免疫療法はその中で新しい武器として急速に広まりました。
・最近注目される免疫チェックポイント阻害薬
免疫チェックポイント阻害薬は、体内でがん細胞を見逃してしまう原因となる「ブレーキ」を解除し、免疫細胞がしっかりとがん細胞を攻撃できるようにする新しいタイプの薬です。
なかでも、PD-1阻害薬やPD-L1阻害薬は、従来の治療と組み合わせて使うことで、生存期間の延長や再発・転移抑制に効果が期待できます。
副作用のコントロールも進化しています。
・再発や転移に悩む患者が増えている背景
医療の進歩で生存率が向上した一方、治療後の再発や転移で悩む患者さんが増えています。
喫煙歴や高齢化などが要因となり、かなり多くの方が再発に不安を感じています。
そんな中、免疫療法は「再発や転移の希望」とされ、より多くの患者さんがその効果に注目しています。
<肺がん免疫療法の基礎知識>
肺がんにおける免疫療法は、がんを直接攻撃する従来の治療とは異なり、患者さん自身の免疫力を高めてがんと戦う治療です。
ここでは、免疫療法の仕組みや代表的な薬剤、治療前に行われる検査について詳しく紹介します。正しい知識を持つことで、治療選択の幅が広がります。
1.免疫療法のしくみと種類
免疫療法には大きく分けて、免疫チェックポイント阻害薬、がんワクチン療法、細胞療法などがあります。
特に肺がん治療で用いられるのは、免疫チェックポイント阻害薬で、体の自己免疫システムの“ブレーキ”を外して、がん細胞を攻撃しやすくします。
患者さんによって適した治療法が異なるため、主治医とよく相談が必要です。
2.抗がん剤や分子標的薬との違い
抗がん剤は、がん細胞の増殖を抑える薬ですが、正常な細胞にも影響しやすく、副作用が出やすい傾向があります。
分子標的薬は、がんの特定の遺伝子やタンパクに働きます。
免疫療法は、患者さんの免疫力を活かす点が大きな違いです。
副作用の特徴や作用のしかたが異なるため、どの治療が合うかは個人差があります。
3.肺がんに適用される代表的な免疫薬
肺がんでよく使われる免疫チェックポイント阻害薬は、「ニボルマブ(オプジーボ)」「ペムブロリズマブ(キイトルーダ)」などがあります。
これらはPD-1/PD-L1阻害薬に分類され、再発や転移のある肺がん患者さんでも効果が期待できるケースがあります。他にも、新しい薬が次々と開発されています。
4.PD-1/PD-L1阻害薬の作用と特徴
PD-1/PD-L1阻害薬は、“がん細胞が免疫からの攻撃を逃れる仕組み”を止めて、免疫細胞の働きをサポートします。
副作用の一部として、免疫の過剰反応による自己免疫障害(間質性肺炎など)が現れることもあるため、定期的な検査が大切です。
治療効果の現れ方は人それぞれで、「ゆっくり効いてくる」例も多く見られます。
5.治療に必要な検査やチェックポイント
免疫療法を始める際には、PD-L1発現の検査や、血液検査・CTなど体の状態を調べることが必須です。
また、副作用が早期に見つかるように、治療中も定期的な通院や検査が推奨されます。
がんのタイプや体力、基礎疾患の有無などを総合的にチェックしながら、患者さん一人ひとりに合った治療プランを考えることが大切です。
<再発・転移肺がんへの免疫療法の効果>
肺がん免疫療法は、近年大きく進歩し、再発や転移といった進行した肺がんの患者さんにも新しい希望をもたらしています。
免疫療法は「がんそのもの」ではなく、「体の免疫力」を高めてがん細胞を攻撃させる治療であり、従来の抗がん剤や放射線治療とは異なる特徴があります。
現在、再発・転移を繰り返す肺がん治療の選択肢の一つとして、多くの専門医療機関で利用されています。
ここからは、再発・転移の状態や実際の治療効果、データ、そして他の治療法と組み合わせた場合の期待について解説します。
1.再発・転移とはどういう状態か
肺がんにおける「再発」とは、治療によっていったん消失や縮小したがんが、一定期間後に再び現れる状態を指します。
これに対し「転移」は、最初にできた肺がんが、血液やリンパ液の流れを通じて他の臓器や組織に広がることです。
再発や転移は、がん治療で乗り越えなければならない大きな壁となります。
特に肺がんは進行が速い場合もあり、早期発見が難しいため、治療が一度落ち着いても再び詳細な検査や治療法の選択が必要となります。
患者さんごとに状態は異なり、医師としっかり相談しながら、最適な治療を見つけることが重要です。
2.実際に効果が出ている症例
近年の研究や臨床現場では、肺がん免疫療法を用いた再発や転移症例で劇的な効果を得ている患者さんも増えています。
例えば、従来の抗がん剤では効果が乏しかったケースで、免疫チェックポイント阻害薬を使うことで、腫瘍が大きく縮小したり、生存期間が延びたりする例も報告されています。
一方ですべての患者さんに必ず効くとは限りませんが、従来の治療後に再発した方や転移が見つかった方でも、免疫療法で日常生活を維持できるレベルまで病状が安定するケースも見受けられます。
医療現場でも前向きな意見が増えており、今後さらに多くのデータが集まることで、より有効な適応や使い方が明らかになることが期待されています。
3.奏効率や生存期間の最新データ
現在、免疫療法を受けた肺がん再発・転移患者さんの奏効率(腫瘍が一定以上縮小する割合)はおよそ20~30%といわれています。
これは従来の化学療法に比べて高い数字です。
また、全生存期間の中央値は、使われる薬剤や患者さんの状態によって異なりますが、目安として1年以上生存できるケースも増えています。
免疫療法はがん細胞に個々の免疫力で立ち向かうため、治療効果が長期間持続することがある反面、効かない場合もあります。
とはいえ、一部の方では「長期生存」や「がんの完全消失」といったケースも見られるため、日々の進歩が期待されています。
4.他の治療法との併用で期待できる点
免疫療法単独だけでなく、近年は抗がん剤や分子標的薬など他の治療法と併用した治療が盛んに行われています。
例えば、化学療法+免疫療法の併用により、単独よりも治療効果が高まり、生存期間や奏効率も向上することが分かっています。
併用することで、がん細胞に対する違ったアプローチが可能となり、より多くの患者さんに治療のチャンスが広がるのが特徴です。
副作用や体調管理等の注意点も増えるため、治療前には担当医と十分な話し合いが不可欠です。
5.再発や転移時の治療選択例
再発や転移肺がんの治療選択は、がんの種類・進行状況・体力・既往歴などさまざまな要素を総合して決めます。
主な選択肢は次のとおりです。
免疫療法(単独または他治療との併用)
分子標的治療
化学療法
緩和ケアとの併用治療
どの治療が最適かは一人ひとり異なるため、患者さん自身も情報収集しつつ、専門医やご家族とじっくり相談することが大切です。
<免疫療法の副作用とリスク>
肺がんの免疫療法は従来の抗がん剤と比べて副作用が少ない印象がありますが、実際は特有のリスクや注意点も存在します。
効果だけでなく、副作用や体調変化をしっかり理解し、安全に治療を進めることが大切です。ここでは免疫療法の主な副作用やリスク、対処方法などについて詳しくご案内します。
1.代表的な副作用の種類
肺がん免疫療法の副作用は、免疫関連有害事象と呼ばれるものが中心です。
これは、強まった免疫機能ががん細胞だけでなく正常な臓器も攻撃するために起こります。
代表的な副作用としては、皮膚の発疹やかゆみ、下痢、倦怠感、関節痛などのほか、重症化すると肺炎や大腸炎、肝障害など重要な臓器への影響も見られることがあります。
症状が軽くても早期対応が大切ですので、日々の体調変化には十分注意しましょう。
2.副作用への対処法と注意点
免疫療法の副作用が現れた場合、早期に医療スタッフへ相談することが重要です。
副作用の多くはステロイド薬などの免疫抑制剤でコントロールできる場合があります。
また、副作用が強い時は一時的に治療を中断したり、減量したりする対応も選択されます。
自己判断で治療を中止せず、少しでも体調に異変を感じたら主治医へ速やかに連絡しましょう。毎日の体温測定や、食欲・排便の様子など細かい変化にも気を配ることが大切です。
3.高齢者や合併症を持つ場合のリスク
高齢の患者さんや、糖尿病や心疾患などの持病がある方は、免疫療法で副作用が出やすい傾向があります。
既往症により治療計画が制限される場合もあり、そのため治療前には主治医と持病や日常生活の状態について詳しく共有することが必要です。
また、定期的な血液検査や画像診断による全身管理も大切になります。
一方で、年齢だけで治療が不可能となることは少なく、体力と意欲があれば免疫療法を検討できるケースが多いです。
4.医療機関選びで気を付けること
肺がん免疫療法を行う際には、実績のある病院やがん専門医が在籍する医療機関を選ぶことが大切です。
チーム医療が充実しているか、緊急時に迅速な対応ができる体制が整っているかを確認しましょう。
さらに、治療方針や副作用への対応が丁寧に説明されるか、不安や疑問を相談しやすい雰囲気かも大切なポイントです。
患者さんご自身やご家族も納得のいくまで説明を受け、納得したうえで治療に進むことが安心につながります。

<免疫療法の今後と最先端研究>
免疫療法は、今やがん治療の新たな選択肢として注目されています。
特に肺がんにおいては、再発や転移のリスクと向き合いながら、患者さん一人ひとりに合った治療法の選択が求められています。
今後、免疫療法の進化や研究開発の動向によって、より多くの患者さんが希望を持てる時代になりつつあります。
1.新しい免疫療法薬の開発動向
新しい免疫療法薬の開発は世界中で活発に行われています。
特にPD-1やPD-L1などの免疫チェックポイント阻害薬に続き、他の免疫チェックポイントや、がん細胞だけを標的とするCAR-T細胞療法など、種類が拡大しています。
また、これまで効果が得られにくかった種類の肺がんでも、複数の免疫療法薬を組み合わせることで反応率の向上が期待されています。
副作用の軽減や、より安全性を高める新規薬剤も次々に登場し、治療の幅が広がっています。
2.パーソナライズド治療の展望
近年、患者さんごとに異なる遺伝子情報や、体の状態に合わせて治療法を最適化するパーソナライズド治療が注目されています。
肺がんでも、一人ひとり違うがん細胞の特性や免疫の状態を詳しく調べることで、より効果の高い免疫療法の選択ができるようになります。
今後は、バイオマーカー検査を活用し、患者さん自身に合った薬剤や投与方法を見つけ、再発や転移にも対応できる柔軟な治療が普及していく見通しです。
3.臨床試験の現状と課題
免疫療法薬の多くは、今も国内外で臨床試験が行われています。
効果や安全性を確認するための試験は不可欠ですが、免疫療法は新しい治療法であるため、長期的なデータがまだ十分とは言えません。
また、副作用への対応や、どのような患者さんに最も効果が期待できるかなど、課題も多く残されています。
とはいえ、日々の研究と臨床試験の積み重ねにより、より信頼できる治療法が今後登場する可能性が高まっています。
4.がん治療の未来に向けて
これからのがん治療は、標準的な治療から個々に合わせたアプローチへの転換期を迎えています。
肺がんの免疫療法は、再発や転移した患者さんにも新しい希望をもたらしつつあります。
今後は、免疫療法を含めた複合的な治療法の確立や、患者さんの生活の質(QOL)を大切にするケアがより重視されるでしょう。
さらなる研究と技術の進歩によって、より多くの患者さんにとって負担の少ない治療が実現していくことが期待されます。
まとめ
肺がんは再発や転移のリスクが高く、多くの患者さんやご家族が治療法について悩まれています。
これまでは化学療法や放射線療法が中心でしたが、近年は免疫療法が画期的な選択肢として注目されています。
再発・転移した肺がんに対しても、免疫療法はがん細胞を標的とし、体本来の力を引き出せる可能性があるため、今後の治療ガイドラインにおいてもその活用範囲が広がっていくことが期待されます。
個々の病状や体質に合わせて治療方針を選択するパーソナライズド医療との組み合わせや、多職種チームによるサポート体制の強化など、患者さんそれぞれのニーズに応じた診療がより一層推進されていくでしょう。
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