代替医療の7つのデメリットとは?がんにおけるメリットや効果も解説

「がんの代替医療にはどんなデメリットがあるの?」

「具体的なメリットはどんなこと?」

と悩んでいませんか。

代替医療のデメリットでまず挙げられるのは、明確な根拠があるものが少ないこと。一方で、がんにともなう心身の負担の軽減が期待できるという報告が集まりつつあります。

本記事では、がんにおける代替医療の7つのデメリットをはじめとして以下を解説します。

  • 3つのメリット
  • 日本の普及の現状
  • 検討する際の3つの注意点
  • 利用する際のチェックリスト

デメリットとメリットを整理するために、本記事をお役立てください。

目次

がんにおける代替医療の7つのデメリット

がんにおける代替医療の7つのデメリットは以下の通りです。

  1. 明確な根拠があるものが少ない
  2. 安全とは言い切れない
  3. 標準治療を受ける機会を失う可能性がある
  4. 飲み合わせによっては副作用が起きる
  5. 思わぬ健康被害が起きることがある
  6. 保険適用外のものが多い
  7. 怪しい療法もある

それぞれ解説します。

1.明確な根拠があるものが少ない

がんの代替医療でまず挙げられるデメリットは、明確な根拠があるものが少ないことです。研究が進んでいる種類もありますが、十分な症例が集まっていないのが現状。

日本緩和学会のがんの補完代替療法クリニカル・エビデンスを参考にしても、以下のように記載されています。

  • マッサージはがん患者さんの痛みの軽減に有効かもしれないが、研究に課題があるため結論づけられない
  • アロマセラピーはがん患者さんの不安やストレスを軽減できる可能性があるが結論づけられない

多くの研究が以上のような報告です。代替医療を検討する際は、科学的根拠が証明されているかを調べましょう。

参考:日本緩和医療学会 がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス(2016)

2.安全とは言い切れない

「自然」「天然」なものやその他の健康食品は、安全とは言い切れません。摂取方法によっては、体に負担を与えることがあるためです。

例えば安全そうな印象を持ちやすいハーブ系のサプリメントの中には、何十種もの化学物質が含まれているものがあります。自分で原材料が安全かを確認できる知識をつけなければいけません。

ビタミンやミネラルのサプリメントは、飲みやすさから過剰に摂取してしまうこともあります。

マッサージなども、施術者の技術が未熟であったり、病状的に禁忌(きんき:やってはいけない)であったりすると、体に影響を与えることも。代替医療は、自分の体質や病状に合わせて選択する必要があります。

3.標準治療を受ける機会を失う可能性がある

代替医療を選ぶ際は、標準治療の機会を逃さないよう注意しましょう。代替医療はがんを治療するのではなく、がんに関係する症状を軽減するものが多いです。そのため、代替治療を受けているうちにがんが進行し標準治療の有効性が下がり、治療機会を逃してしまうことがあるかもしれません。

代替医療だけでがんを治癒させることは難しく、標準治療との併用を検討することが重要です。

がんを根本から治療するには、放射線療法や化学療法などの標準治療(科学的根拠に基づいた医療)を受けることが推奨されています。代替医療により治療の選択肢を広げつつ、標準治療も視野に入れておきましょう。

なお、癌治療を目的とした代替医療もあります。患者さんの免疫や臓器を回復させて立ち向かわせる方法が基本で、治療に時間がかかります。そのため、取り入れられるかどうかは患者さんの病状や体力、経済状況によるところが大きいです。

4.飲み合わせによっては副作用が起きる

健康食品とがんの治療薬を併用する場合、飲み合わせによっては副作用が起きることも。治療の効果を低下させる可能性もあります。

例えば、以下の成分には注意が必要です。

  • 抗酸化作用(ビタミンCやビタミンEなど)があるサプリメントは、特定の化学療法の効果を低下させる可能性がある
  • セイヨウオトギリソウを含む食品は、抗がん剤の作用を低下させる可能性がある

代替医療は、標準治療との組み合わせを慎重に検討する必要があります。

5.思わぬ健康被害が起きることがある

代替医療は、思わぬ健康被害が起きるリスクがあるというのもデメリットです。 特にインターネットや友人からの情報により自己判断で選んだ療法は、予期せぬ副作用が起きることも。

友人から勧められた場合は「私のためにありがとうございます。利用してもよいか主治医に相談します」と伝えてください。インターネットからの情報である場合は「どこの」「誰が」「どのような根拠」で述べているのかを調べましょう。

代替医療はがんによる心身の負担の軽減が期待できる一方で、有用性や安全性が証明されていない場合があります。利用を検討しても良いかを信頼できる医療従事者に相談することが大切です。

6.保険適用外のものが多い

日本で利用される代替医療は、ほとんどが保険適用外であることもデメリットです。複数の代替医療を併用すると、思わぬ経済的負担が発生するケースも。

日本で保険が適用されるのは一部の漢方薬。もしくは痛みや麻痺などの軽減目的で、医師が必要と認めた鍼(はり)やお灸(きゅう)、マッサージなどです。

初期費用に加えて、長期的に利用する場合はどのくらいの費用が必要であるのかを検討しましょう。

7.怪しい療法もある

代替医療の一部では科学的根拠が不足しているため、中には信頼できない療法も含まれているかもしれません。

以下のようなキャッチフレーズを謳っている場合は、怪しい療法の可能性があります。

  • オールインワン製品(幅広い病気を治せる)
  • 「◯◯が治りました」などの個人の体験談
  • 「すぐに治る」「すべて天然」
  • 「奇跡の治療薬」「保証された結果」
  • 「知られたくない治療方法」などの陰謀論

信頼できる情報源をもとに、慎重に選択しましょう。ただし、すべての民間療法を否定するわけではなく、補完的な役割として検討することが大切です。

がんにおける代替医療の3つのメリット

がんにおける代替医療の3つのメリットは以下の通りです。

  1. 心身の負担を和らげる効果が期待できる
  2. 副作用が少ない
  3. 多くの選択肢がある

それぞれ解説します。

1.心身の負担を和らげる効果が期待できる 

代替医療の大きなメリットの一つは、患者さんの心身の負担を軽減する効果が期待できる点。例えば、以下のような効果が期待できます。

健康食品プロバイオティクス(善玉菌の一種)により放射線治療の吐き気の軽減が期待できる
鍼灸治療がんに関係する痛みや吐き気、術後尿閉の軽減が期待できる
マッサージがんに関係する痛みや吐き気、だるさ、不安などの軽減が期待できる
ヨガ乳がんに関係する痛みやだるさ、不安、抑うつ、不眠、ストレスなどの軽減が期待できる

参考:日本緩和医療学会 がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス(2016)

このように代替医療を取り入れることで、患者さんのQOL(生活の質)を向上させることが期待できます。

2.副作用が少ない

代替医療の一部は、標準治療に比べて副作用が少ないというメリットがあります。化学療法や放射線療法は、がん細胞だけでなく健康な細胞にもダメージを与えてしまうため、副作用として吐き気や痛み、体のだるさなどが生じることが多いです。

一方、代替療法は日本緩和医療学会のがんの補完代替療法クリニカル・エビデンスを参考にすると「副作用を経験したと回答した患者さんは5%」と記載されています。

とはいえ、漢方薬や健康食品、マッサージなどでも、用法・用量および施術内容に注意しなければ体に影響を与えることも。代替医療の利用は自己判断ではなく医師に相談しましょう。

出典:日本緩和医療学会 がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス(2016)

3.多くの選択肢がある

代替医療は、種類が多く選択肢が多岐にわたることも一つのメリット。例えば、以下のような種類があります。

アプローチの内容代替医療の種類
口から摂取するもの健康食品、サプリメント、断食療法、ホメオパシー
体へ物理的刺激を与えるもの鍼・お灸、温熱療法、磁気療法
手技的な施術によるものマッサージ、整体、カイロプラティック
感覚によるものアロマセラピー、音楽療法
環境を利用するもの温泉療法、森林セラピー
体の動作によるものヨガ、気功
動物や植物を利用するものアニマルセラピー、園芸療法
伝統医学によるもの漢方医学、中国伝統医学、アーユルベーダ

以上は効果の有無を問わず整理したものであるため、参考程度にとどめてください。代替医療はそれぞれアプローチが異なります。患者さんの病状や思いに沿って、柔軟に選択できることが代替医療のメリットです。

日本における代替医療の普及の現状

日本緩和学会のがんの補完代替療法クリニカル・エビデンスを参考にすると、日本における代替医療の利用状況は以下の通りです。

3100名のがん患者さんの中で1種類以上を利用している割合45%
すでに利用している人と興味を持っている人の割合80%以上
利用で最も多い健康食品・サプリメントの割合96%
健康食品・サプリメントの次に多い気功、お灸、鍼の割合それぞれ4%

出典:日本緩和医療学会 がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス(2016)

現在日本では、統合医療(西洋医学と代替医療を組み合わせたもの)の取り組みが徐々に進められています。十分な研究がされているものに限りますが、代替医療の選択肢が一般的になれば、より患者さんに沿った医療が実現できる可能性があります。

がんの代替医療を検討する際の3つの注意点

がんの代替医療を検討する際の3つの注意点は以下の通りです。

  • 信頼できる医療従事者に相談する
  • 利用する目的を明確にする
  • 必要な費用を確認する

それぞれ解説します。

1.信頼できる医療従事者に相談する

がんの代替医療を自己判断で利用するのは推奨できません。種類によっては、がんの標準治療の妨げになる可能性があるためです。また、科学的根拠の有無について自分で調べるのは困難な場合もあります。

自己判断で健康食品などを極端に摂取したり、反対に栄養を制限したりすると、がんの治療を中断せざるを得ない状況になる可能性も。

実際に代替医療を利用しているがん患者さんのうち約6割は主治医に相談していません。また、利用のきっかけの8割が家族や友人の勧めという背景もあります。

主治医から代替医療の利用について患者さんに質問する割合は2割ほど。代替医療を有効的に活用するには、患者さん自ら主治医に相談して治療を進める必要があります。

2.利用する目的を明確にする

代替医療を検討する際は、自身の病状を踏まえて利用の目的を明確にする必要があります。病状に沿った代替医療を利用しなければ、期待される効果を得られないためです。

例えば、推奨できる症状や状況を一部紹介すると以下の通りです。

  • 不安や慢性的な痛みなどに対するサポートグループ支持療法(当事者同士で体験を分かち合う療法)
  • 治療後の乳がん患者さんへの運動療法
  • がんにともなう痛みやがん治療による吐き気などに対する鍼灸療法

以上のように、現れている症状や状況に対して推奨する療法が設定されています。担当の医師に相談して、適切な代替医療を選択しましょう。

3.必要な費用を確認する

代替医療を利用する際は必要な費用を確認しましょう。高額な費用を払い続けてしまうと、身体的にも経済的にも不安な日々が続いてしまうためです。

代替医療の月額の平均費用は57,000円。年間にすると684,000円です。この金額の負担が大きいか小さいかは人それぞれですが「保険診療で受けられるのか」「長期間利用する際の経済的負担はどれくらいか」をあらかじめ計画する必要があります。

がんの代替医療の利用する際のチェックリスト

代替医療を利用する前に以下のことをチェックしましょう。

医師に相談することがんにともなう症状を軽減できるのかがんの治療の副作用を軽減できるのか安全性や効果を人で確認しているのか医師はその代替医療の専門家と治療方針について話をしてくれるのか医師はその代替医療の専門家と治療を一緒に取り組めるのかがん治療に影響を与えないのか保険診療を受けられるのか
自分で調べることどのような研究がされているのか有効性や安全性の証明ができているのか費用はどれくらいかかるのか検討している代替医療の専門家について以下のことを調べたのかどのような代替医療を実施しているのかどうようなところで訓練を受けたのか技術や知識を保証する免許などを保有しているか同じ病気の患者さんを治療したことがあるのか主治医と一緒に治療を取り組めるのか

まとめ

代替医療は、現状十分な研究結果が集まっていないことから複数のデメリットが存在します。また、怪しい療法の情報が溢れていることがあるため、患者さんを混乱させてしまうことも。

一方で、がんに関係する心身の負担を軽減できるというメリットも存在します。また、選択肢の幅が広いため、代替医療の研究が進めば患者さんの思いや病状に沿った治療の実現につながる可能性もあります。

代替医療は、十分に調べていない状態で自己判断により利用しないことが大切です。信頼できる医師に相談して慎重に治療を進めましょう。

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この記事を書いた人

「医者や病院任せではなく、自分を知って治療法を選ぼう」医療に対する考え方や治療法の選び方が多様化している現在において、いしゃっちはそのひとそれぞれの状態や信念に基づいて、無理なく負担がない治療法を一番に推奨したいために、統合医療という形で情報提供していくつもりです。気軽にいろんな治療法を知っていただき、ご自身に合ったものを選んでいただけたらと思いまして、とかく重たくなりがちな医療ですが、いしゃっちという軽やかな名前を付けさせていただきました。

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