がん治療~情報集めで押さえておきたいこと

がん検診の再検査を控えていらっしゃる方、がんと診断された方、自分は健康だけど家族ががんになって情報を得ておきたい方、みなさんインターネットや本などで情報を集めることが多いかと思います。

この記事では、正しい情報の選び方について、押さえておくべきポイントを解説していきますので、ご参考になれば幸いです。

まず一般的にがんになったら、病院で標準治療を勧められて三大治療(手術・放射線・抗がん剤)を受けるのが一般的なのですが、とはいえ、これだけインターネットが主流になった現在、標準治療には副作用もあるし、他の治療法も調べてみようかな、知っておきたいなという人も増えています。実際に、代替医療や先進医療で治療をなさる人もいらっしゃいますので、それらを否定するわけではありません。

いしゃっちは統合医療サイトになりますので、標準治療以外も積極的にご紹介しています。

ですが、中には金銭目的の怪しいサイトやこれだけでがんが治るといったような、がん治療を勝手に単純化して紹介しており、がんで弱気になっている患者さんに付け込んだ情報提供をしているサイトや本があります。

また情報を集める時に患者さんが陥りやすい罠もあります。

みなさんがそういったものに引っかからないよう、選び方や相談先を提供していきたいと思います。

<インターネットで情報を集める時の注意点>

・レビューがよいと正しいように見える

例えば、Amazonでがんに関する本のカスタマーレビュー(口コミ・評価)を見て、そ  の内容が正しいかどうかを判断しようとする方は多いと思います。

小説やビジネス書なら、レビューをもとに正しく評価できるかもしれません。

ですが、がん本でそれをやっては危険です。

「私はこの方法でがんを治しました」という内容の本はたくさんあります。

これらの多くは、民間療法で治した方の経験談だったりしますが、個人の経験談が数件あるだけでその治療法がよいのか評価することは困難ですし、よかったとしても、あなたにとっても同じ結果になるかは、レビューだけでは断言できません。

もしかすると、その治療法とともに受けていた抗がん剤や放射線療法が効いていただけ  かもしれません。

レビューだけをみて思い込みで判断するのは、絶対にやめてください。

ちゃんとした専門家の数は限られており、多忙な人がほとんどなので、専門家の方でレビューを書くような人はほとんどいないのが実情です。

気になるようでしたら、その民間療法を扱っている代替医療の治療院で、今のご自分の  状態がその民間医療だけでやっていけるのか、ご相談なさる方がいいと思います。

・自分の好みに合う情報が集まってくる

普段何気なく見ているSNSには、ある仕掛け(アルゴリズム)が働いていて、それが  嘘の拡散に影響を与えています。

例えば、Youtubeで何かの動画を見ると、それに関連する動画がどんどん出てきます。

今まで見たものからユーザーの好みが反映され、優先的に出てくる仕組みになっていますので、情報が偏ってしまう恐れがあるということです。

その結果、その偏った情報を見過ぎて「世間ではみんなこの情報を信じている」という感覚に陥ってしまう人が、中には出てきてしまいます。そして、そこから先を広げることが困難になってしまうリスクがあります。

そうやっているうちに、本来、標準治療が早いうちに必要だったのに機会を逃してしまい、気づいたときには悪化して受けられなくなってしまうケースもあるようです。

<本で情報を集める時の注意点>

・本に書いてあるから正しいと信じるのは危険

高齢者の方に多い誤解なのですが、「本で出版されているから信頼できる」というのは誤りです。例えば、「がんを消すことができる食事」といった内容の本がたくさんあります。

ですが、食事だけでがんを治すことができる科学的根拠はどこにもありません(ただし、食事を正すことは重要です)。また一つの食材だけを指して、「がんが消える食材」として食べ続けるのは誤りです。何事もご自身の状態のバランスが大事ですから、このように頭だけで判断して食べるようでは危険です。

・法の抜け道を使っている

「がんが治る」と宣伝してしまうと、薬機法という法律に違反する場合があります。

ですが、それを「○○療法でがんが消えた」といったように本のタイトルにしてしまえば、多くの場合では法律違反になりません。さらに、その本の広告を新聞や雑誌に出しても、法律に問われない場合さえあるのです。そういった裏事情も知っておいてください。

<いしゃっちからアドバイス>

民間療法=代替医療であることが多いですが、代替医療のお医者様にも、素晴らしい理念をもって取り組んでいらっしゃる方はいます。

ただ、現状はがんが進行してから治療に励むケースが多いためか、標準治療を使いながら代替医療を試していかなければ、患者さんの身体が持たないケースも多いと思います。

そのため、患者さんが民間医療にご興味をもたれた際には、いしゃっちでは標準治療と代替医療の両方に理解のある統合医療の観点から診断されるお医者様にかかることをお勧めしております。また、我々も統合医療の普及に力を注ぎたいと考えております。

<主治医に相談しづらいときは>

何はともあれ、主治医にご相談されるのが一番無難だと思いますが。あれこれ聞きたいと思っても、先生が忙しそうだったり、代替医療に詳しくなかったり、治療方針以外は取り合わなかったりといった感じで、相談しづらいこともあるかと思います。

その場合は、看護師・栄養士・ソーシャルワーカーなどの多職種の専門家に相談してみてください。どんな食事を取ったらいいのか、運動してよいのかなど、細かいことにも相談に応じてくれますので、ぜひ頼ってみてください。

また、がん相談支援センターの相談員さんにも相談するとよいでしょう。

がん相談支援センターは、全国のがん診療連携拠点病院などに設置されていて、その病院に通院していなくても無料で相談することができます。

<科学的根拠に基づいた8つの情報源>

科学的根拠に基づいてがん治療について解説しているウェブサイトがいくつもあります。

おすすめをまとめると次の8つです。ご興味がある方はアクセスしてください。

情報減1)国立がん研究センター「がん情報サービス」

日本のがん専門政府機関である国立がん研究センターが運営している情報サイトです。

がん情報サービス

情報源2)米国国立がん研究所がん情報サイト PDQ日本語版

アメリカのがん専門政府機関である米国国立がん研究所に、がん情報サイトがあります。その一部を日本語訳して公開しています。

がん情報サイト | PDQ®日本語版 Cancer Information Japan

情報源3)海外がん医療情報リファレンス

海外の最新がん情報を日本語訳して解説しています。ただし解説はやや専門的で、非医療者向けではない記事も多いかもしれません。

『海外がん医療情報リファレンス』WEBサイト移行のお知らせ

情報源4)キャンサーネットジャパン

認定NPO法人であるキャンサーネットジャパンが、患者さんおよび医療従事者に対して、がん医療情報をまとめているサイトです。

NPO法人キャンサーネットジャパン | がんに関する情報サービスを提供

情報源5)静岡県立静岡がんセンター「処方別がん薬物療法説明書」

抗がん剤治療を受ける際に、注意すべきことなどがとても詳しく解説されています。

処方別がん薬物療法説明書【患者さん向け】 – 静岡がんセンター

情報源6)日本放射線腫瘍学会

放射線治療に関する一般向けの解説がされています。

公益社団法人日本放射線腫瘍学会

情報源7)日本緩和医療学会「患者さんと家族のためのがんの痛み治療ガイド」

がんの痛みに関する解説がされています。

患者さんと家族のためのがんの痛み治療ガイド | ガイドライン

情報源8)国立がん研究センター中央病院「生活の工夫カード」

がん治療中の生活のアドバイスがたくさん載っています。

生活の工夫カード | 国立がん研究センター 中央病院

これらの情報は標準治療をメインとしています。

標準治療を受けられる方は多いと思いますので、不安なことがあればぜひ頼っていかれたらいいと思います。

引用元)「世界中の医学研究を徹底的に比較してわかった最高のがん治療」第5章より

     著者:大須賀 覚、津川 友介、勝俣 範之

     出版社:ダイヤモンド社

     発行年:2020年4月

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この記事を書いた人

「医者や病院任せではなく、自分を知って治療法を選ぼう」医療に対する考え方や治療法の選び方が多様化している現在において、いしゃっちはそのひとそれぞれの状態や信念に基づいて、無理なく負担がない治療法を一番に推奨したいために、統合医療という形で情報提供していくつもりです。気軽にいろんな治療法を知っていただき、ご自身に合ったものを選んでいただけたらと思いまして、とかく重たくなりがちな医療ですが、いしゃっちという軽やかな名前を付けさせていただきました。

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